デザインなど多方面で活躍
今はジャンプが3OO万部くらい、マガジンは160万部ぐらいまで落ちている。
3OO万部の雑誌で新人マンガ家が1ページ2万円の原稿料をもらったとして、21ページ描いたら24万円になる。
毎週描いていたら、1カ月に96万円の原稿料が新人マンガ家に入ることになる。
ところが、アシスタント3人に2O万円ずつ渡して事務所の経費が3O万円だとすると、そのマンガ家に入る収入というのは1カ月6万円だけになってしまう。
リアルな話、だ。
「ブラックジヤツクによろしく」や「海猿」などのヒット作があるS藤秀峰氏は、家の台所事情を以下のように明かしている。
マンガ《僕は今、年間450ページ程の原稿を描いていて、原稿料にすると、約1600万円をいただいています。
売り買いは極上のエンタメだと考える。
「新ブラックジヤツクによろしく」の場合、僕の企画と言うことでの企画料をいただいています。
スタッフを6人雇っていますので、人件費は保険料などを含めて年間約1800万円かかります。
S藤氏はその後オンラインのコミック販売サイトを立ち上げ、自分の作品だけでなく、他のマンガ家の作品も配信している。
もっとアナログなところで、幕張メツセとかで年4回10ページくらいの同人誌を自費出版して売れば、「マガジン」や「ジャンプ」で描くよりも儲かる。
『失綜日記』を書いたマンガ家のA妻ひでおさんは三回くらい失綜している。
失綜して出版社の人と連絡がつかなくなるなどということを繰り返しながら、ちゃんとコミケに商品を出していたりする(笑)。
プロのマンガ家としてメジャーな「ジャンプ」や「マガジン」で毎週21ページ連載を持っている人は月収6万円になってしまうが、コミックマーケットで5OO円の本弁2000部売るとすれば、経費が3万円として4七万円が入ってくる。
ストリートミュージシャンで1日1O枚を目標にCDを売っているグループがいる。
ミュージシャンはレコード会社に所属しなければ消えていってしまう。
昔はミリオンセラーがたくさん出ていたが、今は112万枚CDが売れればそれで合格で、数千枚で終わることも珍しくない。
今のCDの世界で三万枚以上売るというのは大変なことだ。
ミュージシャンは、2度音楽会社と契約してしまうと、最初の2112年は地方を回らされるとか自分たちの歌がねじ曲げられるとか、いろいろな制約が出てくる。
そこで、心あるメンバーたちは、自分たちが歌いたいものをレコーディングしたい、なおかつ歌で生活を成り立たせたいということで、25OO円のCDを毎日1O枚、月に3OO枚売るという方法論が自然に出てくる。
CDを毎日1O枚売ると、CDの原価を引いて245O円×3OO枚H七三万5000円だから、ストリートミュージシャンとしては全然悪くない月収である。
私がいま念頭に置いているミュージシャンも、いろいろ音楽会社からオファーはあったようだが、地方のドサ回りをしなければいけないというような理由から全部断って、自分たちが最も望む会社から契約のオファーが来るのを待っていた。
そこを踏ん張るために親からお金を出してもらうとか、「爆笑問題」みたいにコンビニでアルバイトをするということではなくて、自分が好きなものを手作りで売っていった。
CD1枚の原価は5O円以下なので、25OO円l5O円H245O円の収入がCD1枚につき入る。
こういうことが充分可能な時代になってきた。
最近では大御所クラスのミュージシャンもこのモデルを取り入れている。
アルバムを売り買いは極上のエンタメだと考える273くっても、iTunesでは1曲数百円でバラバラにダウンロード販売されてしまうので儲からない。
そこで各地でライブを行い、会場でのCD販売で売上げを確保するのだ。
最近ではそもそもCDをつくらず、ダウンロード販売に特化したミュージシャンも出てきている。
CDの原価もかからないわけだから、採算をとるハードルはもっと下がるだろう。
タクシーの業界は明らかに高齢化し、五五歳以上の運転手が圧倒的になってきた。
どういうことかというと、タクシーの運転手は年金をもらいながらやれる商売になったということだ。
バブルのときと今とでは、タクシーの運転手の平均年齢は14歳くらい違う。
運転手に女性や高齢者が増えてきているのは、他のものとの併用で成り立つ商売に完全にシフトしてきているということだから、周りが思うほど大変ではないはずだ。
年金がちょっと足りないからタクシーの運転手をするという生計の立て方は、決してしんどくはないと思う。
確実に蓄積されるノウハウ私はフリーランサーなので、出版社など常にいろいろな会社2O杜くらいと仕事をしている。
だから三1社くらいとケンカしでもどうということはない。
よほど理不尽なことがない限り1O年に1度も、しないけれど。
ここ数年、雑誌の廃刊が相次ぎ、窮状を訴えるライターが続出しているが、出版社から仕事を切られることなど、今に始まったことではない。
雑誌がなくならなくても、連載が打ち切りになることだってある。
アナウンサーやディレクターでも社員なら必ずどこかに配属されるが、タレントやライターは「新鮮味」や「集客力」が常に問われるという形で、本質的に流動的な職業なのである。
こちら側が切羽詰まった状況にならない形でいい関係を築くためには、たくさんの会社と付き合っていくことが不可欠である。
サラリーマンは1社と完全契約をしているわけだから、ゼロか1かの世界だ。
フリーは、2O杜ぐらいと付き合っていけば、アナログ的で、ゼロか1かというスイッチの入り方はしない。
フリーは先が読めず不安定だと言われるが、私は1つの会社に完全依存しているサラリーマンのほうがずっとリスクが大きいと思う。
もはや、サラリーマンの給料がガンガン上がっていくことは期待できないし、どんな優売り買いは極上のエンタメだと考える優良企業と言われる会社でも定年まで潰れない保証はまったくない。
サラリーマンにこそ、自己防衛のためのリスクヘッジが必要だ。
そのためにはまず、会社員をやりながら自分の趣味のスキルを生かして毎月五万円を稼ぐことを最初の目標にしたらいいと思う。
ただその場合、就業規則はちゃんと見ておいた方がいい。
私の知るかぎり、執筆や講演で収入を得ることについては、許容している会社が多い。
副業で「売る」ということを経験するのは、本業にも確実にプラスになる。
だから、副業規定は確実に緩やかになるほうに向かうはずだが、古いタイプの総務部的発想では、ご注進に及ばれてクピを切られることもないとは言えないので、慎重を期すに越したことはない。
モノを売ることで個人に蓄積されるノウハウというのは、ものすごいものがある。
どうやったら売れるのか、百何10門出してくれるのか、1万門出してくれるのか、満足度を高めることができるのか。
ちょっとした言葉の使い方で相手とトラブルすることもある。
その回避術は売る側に回ってみなければ身につかないだろう。
ものすごく頭がいい人は自分でシミュレーションできるのだろうが、それよりは、実際に自分で経験してしまうほうが、ショートカットになるし確実だ。
同じモノを気持ち良く買えれば、あるいは安く、速く買えれば別の店でもいい。
そうすると必然的にお居間士のコスト競争が生まれる。
コスト競争から逃れるためには、まったく別の発想をして値段が安く抑えられる形を考えるしかない。
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